3月23日、国会で森友学園の籠池泰典理事長の証人喚問が開かれた。籠池氏は何を語ったのか。
午前10時、まず参議院での証人喚問が始まった。椅子に座る籠池氏の胸元には、証人であることを示す緑色のリボン。下唇を噛み、瞬きを繰り返す。険しい表情に緊張が見える。
「教育者としての私の思いは安倍首相や昭恵夫人、大阪府議会の方にご理解いただいたことはいまでも本当に感謝します」
こうお礼を言った上で、次のように自らの不備を認めた。
「舞い上がっていたところも私の中にあり、手続き上の便宜から設計士の助言に従って請負契約書を3種類作成したこと、指導の行き過ぎなど不行き届きがありました。自らの至らなさを認め、反省すべきところを反省し、謝りたい。行政のご指導をいただきながら適切に改善してまいります」
そのうえで、恨み節も出た。
「これまで応援してくれたと思っていた方々が手のひらを返すように離れていくのを見て、自分自身どうなってしまったのだろうと思う」
話し始めた籠池氏は緊張がほぐれたのか、その後の質疑では時折笑みをこぼし、反論をする余裕も見せた。
森友学園をめぐっては、主に3つの疑念がある。政治家との関係、8億円引きになった国有地、そして学校の認可をめぐる流れだ。
まず、安倍首相からの寄付があったとの主張について。「昭恵夫人から『どうぞ安倍晋三からです』と封筒に入った100万円を渡された」と改めて語った。
国有地8億円引きに関してはどうか。籠池氏は「想定外の値引きに、その当時はちょっとびっくりいたしました」。
認可について、政治家に働きかけをしたとも述べた。
籠池氏はこうも嘆願している。「一連の経緯を明らかにするためにも、トカゲの尻尾切りで済ますわけではなく、正直に話しますので、どうぞ関係の方も呼んで真相究明するよう心からお願い申しあげます」
NHKによると、自民党と民進党はこの日、財務省で国有地の売買当時に理財局長だった迫田国税庁長官と、財務省近畿財務局の局長だった武内国際局長を、3月24日、参議院に参考人招致することで合意したという。